劇団ビタミン大使｢ABC」上演台本「ヒポクリティカル・アイランド」
作＝宮川賢
【概要】
　不思議な島ラクンドにあるのは野菜と海とチューリン（セックス）と酒と歌。文字もお金も持たない島民は、女性を中心に豪快に笑って毎日を過ごす。正時に必ずシャックリが出る少女は豚と話せる。読み書きが出来ないのに恋文の代筆屋がいる。漢方薬を調合して夢を誂える占い師。包丁が頭に刺さったまま生きる男。雲に魅了された少女たち。男の陰毛を収集するチューリン大好きな女子。天に向かって槍を投げた男…。
　島を研究し続けた民俗学者清国連三の論文が当時黙殺されたのは何故だろう。七面倒臭い事はおいといて、ろくろ鉋を蓄音機代わりにガッジョ（よそ者）がもたらしたドーナツ盤を聴いて酒でも呑もうか。
【口上】
４０人近い出演者で織りなす島民の青春を描きつつ、島の謎を解く研究者。山窩かロマか、それとも？日本語のような言葉を操りながら恋をしてセックスをして酒を飲み踊る。登場人物の数だけドラマがある手法はこの人数になっても健在！